ナミヤ雑貨店の奇蹟(東野圭吾)

せせらぎ緑道と日差し

感想

悪事を働いた3人が逃げ込んだ古い家。そこはかつて悩み相談を請け負っていた雑貨店だった。廃業しているはずの店内に、突然シャッターの郵便口から悩み相談の手紙が落ちてきた。時空を超えて過去から投函されたのか? 3人は戸惑いながらも当時の店主・浪矢雄治に代わって返事を書くが……。次第に明らかになる雑貨店の秘密と、ある児童養護施設との関係。悩める人々を救ってきた雑貨店は、最後に再び奇蹟を起こせるか!?

内容がコンパクトに集約されているので裏表紙の紹介文を引用しました。
同名のテレビでの放映を観たときに、原作を読みたいと思いました。読んでみて期待に違いませんでした。
原作は5つの章で構成されています。最初は単に不思議な物語かなと思わされるんですが、章を読み進むにつれてその不思議さが増していきます。32年前と現代とが交錯して途中でちょっと頭が混乱気味でもありました。
最後まで読み切って、雑貨店の秘密が明らかになりますが、私の頭ではまだ不思議さが解明されていません。作者の東野さんは大学の工学部出身とのこと。頭が緻密にできているんでしょうね。
作者が組み立てたロジックでお話をグイグイ引っ張っていくという印象です。あまりこまかいことにはひっかからないで、素直に読んでいけば楽しめる作品だと思います。
作品では「丸光園」という児童養護施設の話がかなりのウェイトを占めています。前後して読んだ有川浩さんの「明日の子どもたち」も児童養護施設のお話でした。なにか因縁を感じます。光の当たりにくいところに関心を持ってもらおうという良識が小説家の方たちにはあるんでしょうか。
(2020/02/27)

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